八木正自氏の『古典籍の世界を旅する―お宝発掘の目利きの力』(平凡社新書)は『古書通信』に連載したエッセイをまとめたもの。読みだすと止まらず、驚きの連続でした。世界を飛び回って和書の稀覯書を発見する一方、古書会館での即売会でも珍書を発掘した経験を語っています。一度彼の世界に引き込まれると手放せません。
古本の神様と呼ばれた丸善の八木佐吉氏のご子息、大学卒業後雄松堂にお務めになって数年間は、拙宅に本を届けてくださいました。その後反町弘文莊で和漢書の修業されて独立、安土堂書店主として大阪青山短大の塩川学長らの顧客に良書を納めてきた方です。
本書を読むと、世界をまたに飛び回って海外で和書の稀覯書を発見する一方、古書会館で金土曜日に開催される即売会でも珍書を発掘した経験を語っています。固有名詞が多くて読みにくいと思われるかもしれませんが、一度彼の世界に引き込まれると手放せません。失敗談もいいですよ。
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