書物史講座

小さな本 Pocket edition Poor Man’s Bible, Macrobius, Aldus, Vitruvius

フローベンのラテン語聖書は、1491年バーゼルで出版された。「貧者の聖書」とあだ名された8折本で、1495年には第2版が出版された。神学生や諸国を行脚しながら説教する僧侶に用いられた。グーテンベルクの42行聖書以降で、フローベ...
書物史講座

キャクストン版ボエティウス『哲学の慰め』

6世紀の哲学者ボエティウスが獄中で著したラテン語の『哲学の慰め』は、中世から近世にかけてよく読まれた名作である。英国ではアルフレッド大王が古英語に翻訳させ、チョーサーは中英語で翻訳した。エリザベス一世も英訳した。キャクストンは...
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Peter Brooke ピーター・ブルック死去

朝日新聞の今朝の朝刊が、英国の演出家Peter Brooke氏が97歳で亡くなったことを報じています。ロイヤル・シェークスピア・カンパニーを率いて、1973年に「真夏の夜の夢」を日本で上演、何もない白い舞台でブランコが登場する仕掛けが新鮮...
書物史講座

書物史講座 キャクストン版『世界の鑑』

こんにちは。今日もですね、キャクストンの続きということで、少しお話を進めたいと思います。 ウィリアム・キャクストン。大陸でブルージュで最初の英語の本を印刷し、しばらくたったらロンドンへ戻り、ロンドンの隣にあるウェストミン...
アーサー王伝説 Arthurian Legends

書物史講座 キャクストン版『カンタベリー物語』第3回

チョーサーはカンタベリー巡礼の一人に選んだバースの女房に、過去に結婚した5人の夫が彼女の旺盛な精力に勝てずに死んでしまう顛末を物語の序文で赤裸々に語らせ、経験主義の重要性を扱う。彼女がその実例として挙げた物語では、結婚生活で男...
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鷲見洋一『編集者ディドロ』(平凡社、2022年)

畏友鷲見洋一氏(慶應義塾大学名誉教授)がライフワークの一つとした『編集者ディドロー仲間と歩く「百科全書」の森』が完成し、この4月に平凡社から出版された。 後書きをみると、従来の「だ、である」調を捨てた理由について綿々と綴っている。ま...
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オーウェル『1984年』ディストピアを生き抜くために

ウィリアム・モリスに関する著作活動の後、ジョージ・オーウェルを扱って止まることを知らない川端康雄氏による新作です。慶應義塾大学出版会の「世界を読み解く一冊の本」(松田隆美先生がシリーズアドヴァイザー)の一冊として出版され、著者からの献本を...
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書物史講座 キャクストン版『カンタベリー物語』第2回

後半では、チョーサーの『カンタベリー物語』を取り上げて、初版(1476年)と第2版(1483年)の相違を探る。大陸から戻ったキャクストンがタイプ2という活字を用いて初版を組んだのに対して、第2版ではタイプ2は欄外見出しに、小さ...
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オスカー・ワイルド『理想の夫』(角川文庫、2022年)

世紀末の審美主義者として、また男色趣味のスキャンダルで知られたオスカー・ワイルドは、『真面目が肝心』など多くの演劇作品でも人気者だった。『理想の夫』もその一つで、19世紀末ロンドンの上流階級を舞台に、仲の良い3人の前に現れた妖しい魅力を持...
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Scribal Cultures in Late Medieval England: Essays in Honour of Linne R. Mooney, York: York Medieval Press, 2022.

ヨーク大学の中世英語古書体学名誉教授リン・R・ムーニー博士の業績を讃える記念論文集『中世後期イングランドにおける写本文化』が発刊されました。 Margaret Connolly, Holly James-Maddocks, &amp...
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遺す、写す、広める。―東西の写本展(3/23-4/28) – 早稲田大学図書館 (waseda.jp)

早稲田大学図書館では、所蔵の東西の写本を一堂に展示し、それぞれの資料の背後にある共通性を見出そうとする企画展が開催されています。 遺す、写す、広める。―東西の写本展(3/23-4/28) –早稲田大学図書館 (waseda.jp) ...
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NHK 100分de名著 エドガー・アラン・ポー スペシャル 2022年3月

今春慶應義塾大学文学部教授を定年退職されて名誉教授に就任した、19世紀アメリカ小説研究の権威巽孝之氏が、NHK教材として編纂されたもの。長い研究・教員生活を背景にして、わかりやすく解説しています。これから卒業論文に取り組もうとする学生諸君...
書物史講座

書物史講座 キャクストン版『カンタベリー物語』第1回

英国商人だったウィリアム・キャクストンは、英王の妹として結婚したブルゴーニュ公爵夫人の依頼で『トロイ歴史集成』をフランス語から英語に直し始めたところ、印刷術について知り、ケルンあるいはアントワープでその「人工的に書く技術」を習...
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『国際昔話型カタログ 分類と文献目録』

昨朝の朝日新聞一面の左隅に載っていた新刊です。ハンス=イェルク・ウター著、加藤耕義訳、小澤俊夫 日本語版監修で、小澤昔ばなし研究所有名な民話研究のアールネ/トムソンの『昔話の話型』に基づいて大幅に改訂増補した国際的な目録です。小澤氏は第指...
書物史講座

『書物に魅せられた奇人たち 英国愛書家列伝』 後編 The Tradition of English Bibliophiles 2/2

本書は過去数年間にわたって不定期刊行物「書物学」(勉誠出版)に連載した「英国愛書家の系譜」を中心に、新たに書き下ろして3編ほどを加えて一書にまとめたものである。取り上げた中にはハリウェル・フィリップスのような奇人から始まって、...
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『書物に魅せられた奇人たち 英国愛書家列伝』 前編 The Tradition of English Bibliophiles 1/2

こんにちは。高宮利行です。 久しぶりにYouTubeで私が最近出しました本についてご紹介したい、そういうふうに思っております。まことに久しぶりな出版でありましておそらく前回は10年ぐらい前の『本の世界は『本の世界はへんな...
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大野寿子監修『いっしょに楽しむ おはなしのえほん こどもに伝えたい20話』(高橋書店、2021年)

東洋大学教授で伝承文学研究者の大野寿子氏が監修した『いっしょに楽しむおはなしの絵本ーこどもに伝えたい20話』(高橋書店、2021年)は、誰でも知っている懐かしい東西のお話を集めて、語りかけるような文と目に楽しい絵を絡めた良書。 リズ...
アーサー王伝説 Arthurian Legends

書物史講座『ロクスバラ・クラブ後編』The Roxburghe Club 2/2

イングランドにおけるロクスバラ・クラブの成功は、ライバルのスコットランドを刺激し、バナタイン・クラブやメイトランド・クラブが誕生したが、いずれも短命に終わった。ロクスバラ・クラブは現在も続いている。19世紀後半には、フレデリッ...
書物史講座

書物史講座「ロクスバラ・クラブ」前編 The Roxburghe Club 1/2

00:00 イントロ、今回の内容 ロクスバラ公爵の死後行われた競売が記録的な売上高に達したのを記念して、ディブディンの主導で発足した ロクスバラ・クラブは今日に至るまで、優れた出版物を世に問うてきた。 The 4...
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高宮 利行 最新刊『書物に魅せられた奇人たち 英国愛書家列伝』

エリザベス女王付きの魔術師ジョン・ディーも、世界の喜劇王チャーリー・チャップリンも蔵書家でした。この度上梓する本書は有名無名を問わず、古書に魅せられて所有銘を残した英国の愛書家19名を取り上げて、それと如何に対峙したかを探リます。...
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